法人から個人へ生命保険の名義変更

先日ある法人のお客様が知人の保険屋さんから定期の生命保険(死亡保険)の紹介を受けたそうです。保険の内容としては、契約からしばらくの間は解約返戻金が少額で、ある年を境に急激に返戻額が跳ね上がるというものです。営業文句は「解約返戻金が跳ね上がる直前に保険契約を社長が法人から買い取ることで、財産を少額の税負担で移すことが出来ます。」というものでした。

このスキームのポイントは社長が契約を買い取る時の代金が低額で済むというところになります。何故なら、本来法人と社長の間で行われる経済的利益や資産の譲渡については「時価」で行われるのですが、「生命保険」についての時価については譲渡時の解約返戻金の額によって評価すると定められているからです。(所得税基本通達36-37)

例えば、年間保険料100万円(損金1/2)で、解約返戻金が低解約返戻金期間中は10%、個人で解約した時に100%になる保険があったとします。 この場合、10年間で法人側では500万円の経費を計上(もう半分500万円は資産計上)。低解約返戻金の時期に社長が買い取る際には100万円で済みます(1,000万円の10%が返戻金相当額の為)。この場合の法人側の処理は、社長からの入金分100万円と積立金500万円の取り崩し額との差額400万円が経費になります。

こうして契約を買い取った社長は解約返戻金が100%になった時に解約すれば1,000万円を一時所得として受け取るということになります。これで社長は自らの負担額は買い取り時の100万円のみで1,000万円の財産形成が出来ました。(所得税、住民税は課税されます。)

こうしてみると利益が経常的に見込まれる法人については魅力的なプランに見えますが、果たしてどうでしょうか?極端にいえば、4/1を境に解約返戻金が100%になる契約を3/31に譲っただけでこの現象がおきます。法人側からみるとあと一日で1,000万円の解約返戻金を受け取る権利を、直前にわずか100万円で譲っている事になり、全く合理的ではありません。普通に考えて明日1,000万円になる事が確定している商品の時価が一日前は100万円といえるでしょうか?

このスキームが流行りだしたのはそんなに昔の事では無いので、今後採用している法人に税務調査が入ってから税務署(又は審判所や裁判所)の見解が出されると思われます。税法が想定していない行為によって税金を抑える行為は「租税回避」になり、このケースも「節税」というよりも「租税回避」の側面が強いでしょう。いずれはスキームが封じられる可能性も低くはないと思われ、これから保険の契約をお考えの方は十分注意された方が良いかと思います。

 

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桃川敬行

桃川敬行

[監査課]
監査担当としてお客様との接点を持ち外出することが多い。車の運転がペーパーのため安全運転を心掛けている。「マイクを持ったら離しません」と豪語するほどのカラオケ好き。そのほか見た目ではわからないが体力と根性に自信があり、朝まで飲み、さらに朝まで歌うことはウエルカム。趣味はスポーツ観戦(カラオケは特技)。特にバスケットボールに関しては月に数回行くほどのペースで観戦する。