福利厚生制度としての養老保険加入についての注意点

皆様お疲れ様です!
昨今の売り手の労働市場において採用活動を有利に進める為には、求人票等において会社の福利厚生制度をアピールすることも重要です。
以前スタッフブログにおいて「食事代の補助、社員割引、社員旅行」を社員の皆様への福利厚生の一環として行う場合の税務上の注意点について投稿いたしました。

福利厚生費用についての税務上の注意点(食事代、社員割引、社員旅行等)


今回は従業員様を被保険者とする養老保険の加入についての注意点・ポイントについてご確認頂ければと存じます。

養老保険とは契約期間中に保険の対象者(被保険者)が亡くなった場合には死亡保険金が支払われ、何事もなく契約期間が満了した場合は満期保険金が支払われる保険です。
養老保険のうち、
被保険者→従業員  死亡保険金の受取人→従業員の遺族 満期保険金の受取人→法人
という契約内容の養老保険は「福利厚生プラン」もしくは「ハーフタックスプラン」と呼ばれ、従業員退職金の積み立て目的によく利用されています。

「福利厚生プラン」の養老保険活用のメリットは大きく以下の点になります。

①保険料の1/2を損金(経費)にしながら従業員の退職金を積み立てることができる
②従業員が在職中に死亡した場合、遺族に死亡保険金が支給されるため従業員の福利厚生に資する
③いざという時に解約返戻金、契約者貸し付けを利用して資金調達ができる

①について、満期保険金もしくは解約返戻金を受け取った期に退職金を支給することで在職時から退職金支給時までの損益を平準化することができる(損益をある程度コントロールすることができる)点、並びに預金等を用いて退職金を積み立てる場合と比較して節税効果を享受できる点がメリットとして挙げられます。
単純化した例でご説明すると
年間保険料30万円・10年満期・実効税率24%とした場合で
満期保険金受け取り時にその全額を退職金として支給すると仮定すると預金を利用して積み立てる場合と比較して
36万円分(30万円×1/2×10年×24%)税額が削減でき、その分が会社のキャッシュとして残る計算になります。

②について、例えば求人広告に「退職金制度あり」と記載が可能になることや従業員さんのモチベーションが向上することが挙げられます。

③について、本来の目的は①,②のメリットを享受する事ですが、会社の存続が危ぶまれるような資金繰りの危機の際に資金調達できるカードを持っておくというのはリスク管理上大きなメリットとなります。

一方、「福利厚生プラン」についてはリスクや導入にあたり注意すべき点も多くございます。
導入をご検討の際は以下の点にご注意ください。

①福利厚生プランの保険加入はキャッシュフローを悪化させる
②従業員の退職時期は会社ではコントロールすることができない
③福利厚生規定(退職金規定)を整備し運用していく必要がある

①について、保険料支払額のうち1/2については損金(経費)、残りの1/2については積立金として処理されることになります。この積み立て分については契約期間中毎年同額の資金を寝かしておかなければならず、キャッシュフローを悪化させます。福利厚生も税効果も会社が存続してこそですので、契約時点でキャッシュフローにある程度余裕のある法人であることが加入の条件であると考えます。

②について、養老保険は満期に近づくにつれて解約返戻金の返戻率が高くなり、満期保険金に近づいていく性質の保険です。契約後すぐに従業員様が退職された場合には解約返戻金が保険料支払額を下回るリスクがあります。メリットである節税効果も従業員様の退職時期と満期の時期を合わせる事により享受できる部分が大きい為、従業員様の入退社が多い会社様はより慎重にご判断いただく必要がございます。また福利厚生プランにおいては原則従業員全員の加入が要件である点もポイントです。
(「勤続1年を経過したものに限る」「パート・アルバイトは除く」等、被保険者を限定する事は可能です。)

③について、福利厚生制度及び退職金制度の内容が社内に周知されていなくては福利厚生の目的も十分に達成されません。また実際に死亡保険金が支払われる際にその取扱いが定められていないとトラブルが発生するリスクも高くなります。税務上、福利厚生目的で加入されている事が保険料の1/2が損金計上できる前提となっておりますので、税務調査の際に問題とならない為にも福利厚生規定(退職金規定)の整備・運用は必須といえます。

中小企業における従業員退職金の準備養老保険の「福利厚生プラン」を用いたと比較されるものに「中小企業退職金共済」の制度がございます。またこのブログで制度の概要、メリット・デメリット、「福利厚生プラン」との比較について投稿させていただきます。

黒木拝

 

 

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黒木 友之

黒木 友之

[監査課]
会計監査業務のほか、社会保険や給与計算、法人設立などの業務に携わる。少しずつ担当するお客様も増えてきたので、これから忙しくなりそうだが、そこは“事務所唯一の20代”という若さでカバーする。開業や法人設立時から関与しているお客様も多く、会計をはじめ不安も負担も大きいお客様に貢献できるよう、分かりやすい説明とサポートを心がけている。週末はプールに通い、日頃の運動不足解消に努めている。