利益の資本組み入れと均等割

会社の業績が順調に推移すると、残った黒字が会社の利益剰余金としてストックされていきます。

平成21年の法改正でこの利益剰余金を資本金に振り替えること、つまり「利益の資本組み入れ」が可能になりました。

今回は利益の資本組み入れに関する平成27年の法改正について触れたいと思います。

従来の利益の資本組み入れのメリットは以下の通りでした。

1.株主からの出資なしに資本金を増やすことができること(「無償増資」といわれることもあります)。

2.法人住民税の均等割の計算上、利益の資本組み入れ分は算入しなくてもいいこと。

たとえば、資本金1000万円の会社が500万円の利益の資本組み入れをした場合、資本金は1500万円になりますが、均等割りの計算上1000万円の会社と同等の金額で済みました。

支店がなく従業員が50人以下の会社であれば、埼玉県・東京都のほとんどのエリアで資本金1000万円までは均等割が年間7万円、1000万円超~1億円以下の会社は均等割が年間18万円なので、この差は結構大きいです。支店のある会社であればこの差はもっと広がります。

ところが、平成27年の税制改正で上記2のメリットが全くなくなりました。

つまり無償増資を行った場合も、均等割の算定上資本金に算入しなければならなくなりました。

さらに厳しいのが、過去に行った利益の資本組み入れについても、平成27年4月以後開始事業年度において資本金に算入しろ、ということです。

つまり、会社によっては、資本金が動いていないのに来年の決算時に均等割が増える可能性があるということです。

2のメリットをフル活用していた法人にとっては、地味に痛い改正です。

じゃあ資本金をまた利益剰余金に戻せばいい、考える方もいるかもしれませんが、資本金を減らすには官報公告等の手間と経費が掛かる手続きをとる必要があり、簡単にはできません。

そもそも会社の資本金は会社の規模を表す、という前提に立てば、資本金の減少は会社の信用力の低下を引き起こす可能性が高いです。

なお、今回は触れていませんが、今回の法改正で、場合によっては資本金を減らすことによって均等割を減らすことが可能にもなりました。

機会があればこの点についてもいずれ触れたいと思います。

 

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中村 龍平

中村 龍平

[副所長] [税理士/司法書士]
司法書士事務所や複数の税理士事務所などを経験した後、「自宅が近いから」という理由で当事務所の門を叩き、「現状維持でよしとする企業は要らない、私たちはお客様を選ぶ立場にある」という鈴木所長の考えに圧倒される。「ですから、当事務所のお客様には成長意欲 の高い企業が多いんです」。監査業務に加え、事務所全体の業務も見る立場にある。趣味と 実益を兼ねた株式投資歴は10年に及ぶ。
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