中小企業の事業承継と非上場株式の評価

皆様お疲れ様です!

来年1月1日からの相続税改正を前に各種メディアで頻繁に相続についての特集が組まれています。
経済紙等では結構なボリュームで特集が組まれているのを見ますが、その中で気になったのが会社の相続とでもいうべき「事業承継」についての記事です。事業承継についての対応が遅れている中小同族企業が多く、親族間のトラブルも少なくないとの記事が多くみられます。

事業承継における具体的な問題点としては後継者不在や後継者の経験不足などの人的な要因のほか、現経営者から次世代の経営者への株式持分の移転がうまく行われていないことが挙げられています。株式持ち分の移転がうまく行われないまま相続に突入すると相続割合で親族間のトラブルが発生し、後継者に換金が難しい相続財産(株式)が集中し、納税資金が不足することにつながります。
同族間での社長交代がうまくいかない一因に相続税・贈与税の負担の重さが挙げられます。新旧経営者間での株式贈与も贈与税の課税対象となります。贈与税の負担も考慮しながら株式持ち分の移転を進めていくことが事業承継を円滑に進める為の大きなポイントです。ここで問題となるのが「自社株の評価」。評価方法は会社の規模により異なりますが、中・小規模であれば会社の純資産額が評価の基礎となる場合が多く、賞与や退職金の支払いなどで自社株の評価を低くし贈与税の負担を減らすという対策が考えられます。また暦年110万円の非課税枠を活用して計画的に持ち分の移転を図ることも有効な対策といえるでしょう。

また来年より非上場株式の相続・贈与に関しての「納税猶予制度」の要件緩和が行われます。この制度は一定の要件のもと、相続税なら80%、贈与税なら全額の支払いを猶予し先代経営者の死亡などによって納税が免除される制度です。制度の利用前の事前確認が廃止され手続きの負担が減るほか、親族以外も後継者の対象としており事業承継の引き受け手が増えることが期待できます。

個人の相続についても同様ですが、現状を把握し計画的に事前準備を行っていくことがスムーズな事業承継を可能にします。相続税改正を一つのきっかけに事業承継についても一度お考えいただければと存じます。

黒木拝

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黒木 友之

黒木 友之

[監査課]
会計監査業務のほか、社会保険や給与計算、法人設立などの業務に携わる。少しずつ担当するお客様も増えてきたので、これから忙しくなりそうだが、そこは“事務所唯一の20代”という若さでカバーする。開業や法人設立時から関与しているお客様も多く、会計をはじめ不安も負担も大きいお客様に貢献できるよう、分かりやすい説明とサポートを心がけている。週末はプールに通い、日頃の運動不足解消に努めている。